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ONE DAY IN KASAMA

笠間日帰りガイド|稲荷の門前から、器の並ぶ丘へ

朱塗りの楼門をくぐって、彫刻の本殿へ。
午後は丘にのぼって、棚に並ぶ笠間焼を選ぶ。

笠間稲荷神社の楼門。朱塗りの二層の門が正面に立ち、左右に塀が続く。手前に石畳の参道と階段、背景は青空
笠間稲荷神社の楼門(撮影当時):Tak1701d / CC BY-SA 3.0(長辺2000pxのまま(縮小なし))

茨城県・笠間市/寺社・工芸・街歩き
情報確認日:2026年10月2日

笠間は、稲荷神社の門前町であり、焼きものの町でもあります。笠間観光協会によると、笠間稲荷神社の創建は第36代孝徳天皇の御代、白雉2年(651)といわれ、1340年以上の歴史があり、年間350万人以上の参拝者が訪れます。笠間稲荷神社(笠間観光協会) ↗

その門前から少し離れた丘には、笠間焼の器を並べた施設と、県立の陶芸美術館が集まった公園があります。参拝と器、ひとつの町でまったく性格の違う二つを見られるのが、この行先の面白いところです。

今回ご紹介するのは、JRで友部駅へ行き、かさま観光周遊バスで神社と芸術の森公園をつなぐ日帰りコースです。施設どうしが歩くには離れているので、バスの時刻を先に押さえておくのがこの旅の肝になります。かさま観光周遊バス(笠間市) ↗

※営業時間・料金・運行は変わることがあります。お出かけ前に笠間観光協会 ↗と各施設の公式サイトでご確認ください。

こんな気分の日に

  • 参拝と買い物を、一日のなかで両方やりたい
  • 自分の手に合う器を、実物を見ながら選びたい
  • 歩きどおしではなく、バスを挟みながら町を回りたい

日帰り旅の基本情報

項目このコースの目安
出発地東京都心(上野方面からJR常磐線)
交通手段電車+周遊バス+徒歩
現地まで友部駅へ。駅から先はかさま観光周遊バス
現地滞在(基本)10:00〜16:00の約6時間
予算(基本)大人1人5,300〜15,950円程度を用意する想定
歩く量境内と門前、公園内で約3〜4kmの見込み。移動はバスを使う前提

滞在時間・歩行距離・予算は、この旅程のための編集上の目安です。器をどれだけ買うか、美術館で企画展を見るかどうかで変わります。

笠間で楽しみたい、3つのこと

1. 笠間稲荷神社を参拝する

笠間稲荷神社の本殿を下から見上げた写真。深い軒の下に、壁一面を埋める木彫りの彫刻が並び、屋根の軒先に金色の飾りが見える
本殿の壁面を埋める彫刻。国の重要文化財(撮影当時)。写真:Suikotei / CC BY 4.0 · 2025年4月撮影(長辺1600pxに縮小)

門前の通りを進むと、朱塗りの楼門が立っています。くぐった先が境内です。笠間観光協会によると、参拝は6:00から日没までで、定休日はなく、参拝は自由です。笠間稲荷神社(笠間観光協会) ↗

拝殿の奥にある本殿は、見ておく価値があります。笠間稲荷神社によると、本殿は江戸時代の末期、安政・万延年間(1854〜1860)の再建で、銅瓦葺総欅の権現造、昭和63年に国の重要文化財に指定されています。壁面は彫刻で埋め尽くされていて、近づくと一枚ずつ違う図柄が彫り込まれているのが分かります。笠間稲荷神社について ↗

拝殿に向かって右側には、二株の藤樹があります。笠間観光協会によると、樹齢は400年にも及び、昭和42年11月に県の天然記念物に指定されています。

秋に行くなら、菊まつりの時期と重なるかもしれません。笠間市によると、笠間の菊まつりは10月下旬から11月下旬に笠間稲荷神社をメイン会場に開かれ、始まりは明治41年です。期間は年によって変わるので、日程は出かける前に確かめてください。笠間の菊まつり(笠間市) ↗

2. 笠間焼の器を見て、選ぶ

木の棚に並べられた笠間焼の器。上段に色の違う縞模様の碗と箸置き、下段に白や灰色の鉢、取っ手のついたカップ、湯のみが並んでいる
棚に並ぶ笠間焼の器。形も釉薬も作り手ごとに違う(撮影当時)。写真:Σ64 / CC BY 4.0 · 2020年2月撮影(長辺1600pxに縮小)

笠間焼は、この町の暮らしのなかで作られてきた焼きものです。棚に並んだ器を見ると、作り手ごとに形も色も釉薬もばらばらで、「笠間焼らしい形」が一つに決まっていないことに気づきます。

器を見られる場所のひとつが、笠間工芸の丘です。笠間観光協会によると、ロクロや手ひねりで作品を作る体験工房、笠間焼作家の展示室、笠間在住の人間国宝である松井康成氏の常設展示室、笠間焼を中心としたお土産コーナー、軽飲食のできるカフェラウンジなどがあります。営業時間は「AM 10:00 ~ PM 5:00」、定休日は「月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始」です。笠間工芸の丘(笠間観光協会) ↗

陶芸体験もできますが、枠と料金は時期によって変わります。やってみたい日は、行く前に直接確かめて予約しておいてください。この記事では体験を組み込まず、器を見て選ぶ時間にあてています。

買うときは、持ち帰りのことも考えておくと安心です。器は重く、割れます。電車で帰る日は、持てる範囲にとどめるのが無難です。

3. 芸術の森公園で、器の美術館へ

茨城県陶芸美術館の外観。四角い窓の並ぶ白い建物が左右に建ち、中央の入口に展覧会の垂れ幕が下がる。入口の前に鉢植えの菊が並んでいる
茨城県陶芸美術館の外観。入口に菊の鉢が並ぶ時期(撮影当時)。写真:Abasaa / Public domain(作者によるパブリックドメイン提供) · 2016年11月撮影(長辺1600pxに縮小)

笠間工芸の丘のある一帯が、笠間芸術の森公園です。茨城県によると、開園時間は8時30分から17時まで、休園日は12月31日から1月1日までで、駐車場は1,232台あります。園内には、約3.9haの敷地に29人の陶造形作家による17作品を展示した「陶の杜」もあります。笠間芸術の森公園について(茨城県) ↗

同じ公園のなかに、茨城県陶芸美術館があります。開館時間は9時30分〜17時00分(入場は16時30分まで)、休館日は月曜日(祝日の場合は開館し翌平日休館)と12月29日〜1月1日です。コレクション展・テーマ展の観覧料は一般360円、高校生等290円、小中生180円、満70歳以上180円。企画展は展覧会ごとに異なり、一般950円の回もあります。開館カレンダー・観覧料(茨城県陶芸美術館) ↗

売り場で器を見たあとに美術館へ行くと、同じ土から別のものが生まれていることが分かって面白く読めます。順番を逆にしてもかまいません。

一日の過ごし方

午前を神社と門前、午後を芸術の森公園にあてる組み立てです。

以下の時刻は旅の組み立て例で、電車やバスの発車時刻ではありません。

時刻の目安過ごし方
10:00友部駅から笠間の観光エリアへ
11:00笠間稲荷神社を参拝
12:00門前通りで昼食
13:30工芸の丘・陶芸美術館方面へ
14:00笠間の器と公園を楽しむ
16:00バスの接続に合わせて駅へ

バスの接続が合わない日は、午前と午後を入れ替えて工芸の丘から始めてください。雨の日は公園の散策を省いて、陶芸美術館と工芸の丘の屋内で過ごす時間を長くすると動きやすくなります。

アクセスと予算

行きはJR常磐線で友部駅へ。笠間駅はJR水戸線の駅で、神社にも芸術の森公園にも、笠間観光協会によると徒歩20分ほどの距離があります。

駅から先は、かさま観光周遊バスを使います。笠間市によると、「道の駅かさま」を乗換え地点とする2路線で、友部駅北口を発着する連絡ルートが約16分、笠間駅を発着して春風萬里荘・芸術の森公園・工芸の丘・陶芸美術館・日動美術館・稲荷神社を回る周遊ルートが約40分、全体で1日7便の運行です。1回の支払いで両ルートが乗り降り自由になる1日自由乗車券だけが販売され、令和8年4月1日の改正で平日300円、土日祝日及び春・秋の観光シーズンは500円になりました。支払いは現金のほか、クレジットカード、QRコード決済、茨城交通ICカード(いばっピ)が使えます。かさま観光周遊バス(笠間市) ↗

費目大人1人の想定
電車の往復として確保3,000〜7,000円
かさま観光周遊バスの1日自由乗車券300〜500円
昼食1,000〜2,500円
陶芸美術館の観覧料0〜950円
器や菓子のおみやげ1,000〜5,000円
計画上の合計5,300〜15,950円

電車の枠は、出発駅と特急の利用を決めない想定で、確認済みの運賃ではありません。区間の金額はJR東日本 ↗の運賃案内でご確認ください。バスの枠は笠間市の案内する300円と500円をそのまま置いています。美術館の枠は、入らない日が下限、企画展を見る日が上限です。器は一点ものが多く、上限は目安になりません。

車で行く場合は、北関東自動車道の友部インターからが近く、芸術の森公園の駐車場は1,232台あります。ただし茨城県陶芸美術館は、祭りやイベントの期間中は芸術の森公園内の駐車場が有料になると案内しています。門前通りには酒類を出す飲食店もあるので、運転する人が飲まない前提で店を選んでください。この記事の時間割は、電車と周遊バスで動く前提で組んでいます。

動画で、笠間の一年を見る

笠間市の公式YouTubeチャンネル「チャンネル笠間」が公開している「茨城県笠間市PR動画『KASAMA CITY IBARAKI』」を紹介します。四季折々の景色やイベントを5分ほどにまとめた映像です。

映しているのは市内全域で、この記事が歩く稲荷神社と芸術の森のほかに、愛宕山、石切山脈、岩間地区の田園風景なども含まれます。範囲は完全には重なりません。この日の順路を案内する映像でもありません。開館時間や料金は、この記事の本文と公式サイトでご確認ください。

出典:チャンネル笠間(笠間市公式、YouTube)
YouTubeで動画を見る ↗ / 笠間観光協会 ↗

※動画プレーヤーの読み込み時にGoogle/YouTubeへ接続します。プライバシー強化モードでもIPアドレス等の送信を完全には防げません。自動再生はしません。詳細はGoogleのプライバシーポリシー ↗をご確認ください。再生できない場合は上のYouTubeリンクをご利用ください。

出かける前に確認したいこと

バスの時刻を、先に決めておく。 このコースは、神社と芸術の森公園のあいだをバスでつなぎます。笠間市によると運行は1日7便なので、乗り遅れると次まで待つことになります。どの便で移動してどの便で戻るかを、出かける前に時刻表で決めておいてください。歩くと笠間駅から20分ほどかかる距離なので、便を逃したときはタクシーに切り替えるか、立ち寄りを一つ減らす判断が要ります。かさま観光周遊バス(笠間市) ↗

月曜日は、器の施設が閉まる。 笠間工芸の丘の定休日は月曜日(祝日の場合翌日)と年末年始、茨城県陶芸美術館の休館日も月曜日(祝日の場合は開館し翌平日休館)です。月曜日に行くと、午後の目的がまとめて閉まっていることになります。神社は無休ですが、器を見るのがこの一日の半分なので、曜日は先に確かめてください。開館カレンダー・観覧料(茨城県陶芸美術館) ↗

行事の日は、混み方が変わる。 笠間の菊まつりは10月下旬から11月下旬に笠間稲荷神社をメイン会場に開かれ、春には陶炎祭もあります。行事の日は門前も公園も人が増え、茨城県陶芸美術館によるとイベント期間中は芸術の森公園内の駐車場が有料になります。混雑をさけたい日も、行事を目当てにする日も、日程は公式の案内で確かめてから出かけてください。笠間の菊まつり(笠間市) ↗

同じ北関東で工芸の町を歩く一日にしたいなら、富岡の日帰りガイド ↗もあります。あちらは製糸の工場建築が中心で、笠間は神社と焼きものが中心です。門前町を歩いて参拝するという組み立てでは、成田の日帰りガイド ↗とも重なります。

門前を歩いて、丘で器を選ぶ。次の休日は、笠間へ。

次の休日の、もうひとつの候補。

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