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ONE DAY IN CHICHIBU

秩父日帰りガイド|秩父神社の彫刻とまつり会館、番場通りのレトロな建物を歩く

社殿の四方に散らばる龍と虎と梟を探し、隣の会館で冬の夜祭をのぞく。
午後は古い建物の並ぶ参道を歩き、帰りは駅前の湯へ。

秩父神社の拝殿。緑青色の屋根の下、正面の軒に虎や龍の極彩色の彫刻が並び、石畳の参道で参拝者が拝殿に向かっている
春の秩父神社拝殿(撮影当時)。正面の軒に彩色された彫刻が並ぶ。:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0(長辺1600pxに縮小)

埼玉県・秩父市/寺社・街歩き・温泉
情報確認日:2026年9月28日

池袋から西武線の特急に乗って1時間20分ほど。山に囲まれた盆地の真ん中に、秩父の町があります。駅から歩いて行ける範囲に、2000年を超える歴史を伝える神社と、その神社の冬の大祭を一年中見られる展示館、大正から昭和初期の建物が残る参道がまとまっています。

今回ご紹介するのは、西武秩父駅を起点に、午前は秩父神社と秩父まつり会館、午後は参道の番場通りを歩き、帰りに駅前の日帰り温泉へ寄る日帰りコースです。電車で出かけて、あとは歩いて回る前提で組んでいます。秩父神社へは西武秩父駅から徒歩15分、秩父鉄道の秩父駅からは徒歩3分です。交通案内(秩父神社) ↗

※開館時間・料金は変わることがあります。お出かけ前に秩父まつり会館のご利用案内 ↗と秩父観光なび(秩父市) ↗でご確認ください。

こんな気分の日に

  • 神社の建物を、彫刻の一つひとつまでゆっくり眺めたい
  • 冬の祭りの賑わいを、季節を問わずのぞいてみたい
  • 古い建物の並ぶ通りを歩いて、帰りに温泉で温まりたい

日帰り旅の基本情報

項目このコースの目安
出発地東京都心(池袋方面から)
交通手段電車+徒歩
現地まで西武池袋線・西武秩父線で西武秩父駅へ。駅から秩父神社まで徒歩
現地滞在(基本)10:00〜16:30の約6時間半
予算(基本)大人1人4,200〜9,700円程度を用意する想定
歩く量駅→秩父神社→番場通り→駅で約3kmの見込み。坂や階段はほとんどない市街地です

滞在時間・歩行距離・予算は、この旅程のための編集上の目安です。特急を使うか、温泉に入るかで大きく変わります。

秩父で楽しみたい、3つのこと

1. 秩父神社で、龍と虎と梟の彫刻を探す

秩父神社の社殿の妻側。反りのある屋根の下に青い龍の彩色彫刻があり、手前の柱に「つなぎの龍」と書かれた木の札が立っている
「つなぎの龍」の彫刻と名札(撮影当時)。写真:Saigen Jiro / CC0(パブリックドメイン提供) · 2021年8月撮影(長辺1600pxに縮小)

秩父神社は、知知夫国の初代国造に任命された知知夫彦命が祖神の八意思兼命をまつったことに始まると伝えられる神社です。武蔵国ができる前から栄えた知知夫国の総鎮守で、平成26年に御鎮座2100年を迎えました。今の社殿は天正20年(1592年)に徳川家康が寄進したもので、江戸時代初期の建築様式をよく残していることなどから、埼玉県の有形文化財に指定されています。ご祭神・由緒(秩父神社) ↗

見てほしいのは、社殿を囲む色鮮やかな彫刻です。神社の境内案内には、とくに名前のついた彫刻がいくつか紹介されています。

  • 子宝 子育ての虎:拝殿の正面、左から2つめ。子虎とたわむれる親虎の姿で、名工・左甚五郎が家康の威厳とご祭神を守る神使として彫ったと伝えられます。子宝 子育ての虎(秩父神社) ↗
  • つなぎの龍:近くの池に住みついた龍が暴れると、この彫刻の下に水たまりができていたため、彫り物の龍を鎖でつないだところ現れなくなった、という伝説が残る龍です。こちらも左甚五郎の作と考えられています。つなぎの龍(秩父神社) ↗
  • 北辰の梟:本殿の北側の中央。体は本殿を向き、頭は真北を向いて、昼も夜もご祭神を守っているとされます。ご祭神の妙見様は北極星を中心とした北辰北斗の信仰で、梟の見ている方角に妙見様が現れることから、縁の深い鳥と考えられています。北辰の梟(秩父神社) ↗
  • お元気三猿:日光東照宮の「見ざる・言わざる・聞かざる」に対して、こちらは「よく見て・よく聞いて・よく話す」三猿として親しまれています。お元気三猿(秩父神社) ↗

彫刻は社殿の四方に散らばっているので、拝殿で参拝したあと、社殿の周りを一周するつもりで歩いてみてください。梟は北側に回らないと見つかりません。

2. 秩父まつり会館で、冬の夜祭をひと足先に見る

秩父まつり会館の外観。壁に「秩父まつり会館」の文字がある低い建物と、濃い色のパネルで覆われた四角い棟が並び、手前に赤い街灯と植え込みがある
秩父まつり会館の外観(撮影当時)。写真:あばさー / Public domain · 2014年5月撮影(長辺1600pxに縮小)

秩父神社の例祭は、毎年12月3日に行われる「秩父夜祭」です。豪華な笠鉾・屋台の曳き回しと打ち上げ花火で知られ、京都の祇園祭、飛騨高山祭とともに日本三大曳山祭のひとつに数えられています。国の重要無形民俗文化財・重要有形民俗文化財に指定され、平成28年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコの無形文化遺産に登録されました。ご祭神・由緒(秩父神社) ↗

祭りの日以外でもその雰囲気にふれられるのが、神社のすぐ隣にある秩父まつり会館です。1階には、昭和の名工が手がけた幕や彫刻を配した笠鉾・屋台が展示されています。祭りでの曳行や街の雰囲気を音と映像で再現するプロジェクションマッピングや、秩父の一年の祭りをめぐる3Dシアター「秩父まつり廻廊」(上映時間14分30秒)もあります。2階は夜祭の歴史や構成を紹介する資料展示です。館内のご案内(秩父まつり会館) ↗

開館時間は4月から11月が9:00〜17:00、12月から3月が10:00〜17:00で、入館受付は16:30までです。休館日は3月から11月が第4・第5火曜日、12月から2月が毎週火曜日で、12月29日から1月1日も休館します(祝祭日は開館、12月は夜祭にあわせて変動あり)。入館料は一般500円、小中学生250円です。ご利用案内(秩父まつり会館) ↗

秋の日曜・祝日を中心に、ラウンジや屋外で秩父屋台囃子の実演が行われる日があります。2026年の日程は10月18日まで公開されていて、出演は11時30分、13時30分、14時30分の1日3回が基本です。変更や中止もあるので、合わせたい日は会館のお知らせを確認してください。令和8年度 秋の秩父屋台囃子・実演日程表(秩父まつり会館) ↗

3. 番場通りで、大正・昭和の建物を眺める

石畳の番場通り。右手に緑色の外壁の古い商店建築が並び、赤い街灯が続く通りの奥に鳥居が見える
番場通りの石畳と、通りに残る古い建物(撮影当時)。奥に秩父神社の鳥居が見える。写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0 · 2023年3月撮影(長辺1600pxに縮小)

秩父神社の表参道が番場通りです。秩父鉄道の御花畑駅方面から神社へ続く石畳の通りで、食堂やカフェ、甘味の店が並ぶなかに、大正の雰囲気を残す建物が多く残っています。建物が国の登録有形文化財になってからも営業を続けている店もあります。番場通り(ちょこたび埼玉) ↗

秩父地域おもてなし観光公社の紹介では、通りとその周辺に残るのは大正後期から昭和初期に建てられたモダンな建物で、カフェ、煙草屋、医院、肉屋などがあります。番場通り(秩父地域おもてなし観光公社) ↗

そのひとつが、角地に建つ「小池煙草店」です。木造2階建てで、通り側の壁を高く立ち上げ、角を丸めた壁面に、軒のコーニスや窓まわりの縁取りを色や仕上げで描き分けています。昭和初期の、装飾の多い店舗兼住宅として、2004年に国の登録有形文化財になりました。小池煙草店(文化遺産オンライン) ↗

小池煙草店のように、通りに面した壁だけを高く立ち上げて飾り、屋根は奥に隠れている建物は、店先の真下からだと形が分かりにくいものです。通りの反対側に渡って、少し離れて建物の上の方や側面を眺めてみてください。お店の中をのぞく場合は、営業中の店であることを忘れずに。通りの建物は見学施設ではなく、今も使われている店や住まいです。

一日の過ごし方

午前は神社とまつり会館、午後は参道の町並みと駅前の温泉にあてる組み立てです。

以下の時刻は旅の組み立て例で、列車の発車時刻ではありません。

時刻の目安過ごし方
10:00西武秩父駅から歩いて秩父神社へ
10:30秩父神社に参拝し、社殿の彫刻を見て回る
11:30秩父まつり会館で笠鉾・屋台と映像を見る
12:45番場通りの周辺で昼食
14:00番場通りの建物を眺めながら駅の方へ歩く
15:00駅前の祭の湯で入浴、またはおみやげ選び
16:30西武秩父駅から帰路へ

雨の日は、まつり会館の展示と映像に時間を多めに割き、番場通りは短めに歩くと過ごしやすくなります。秋の屋台囃子の実演日は、11:30か13:30の回に合わせてまつり会館の時間を前後させてもかまいません。

アクセスと予算

池袋から西武秩父までは、西武鉄道の特急ラビュー(ちちぶ号)で約77分です。全席指定で、乗車券のほかに特急券が必要です。特急電車・座席指定列車(西武鉄道) ↗ 池袋から西武秩父までの特急料金は900円です。事前に特急券を買わずに乗ると200円が加算されます。週末や行楽期は帰りの特急が埋まることもあるので、特急で帰る日は、行きの時点で帰りの特急券も確保しておくと、夕方の予定を逆算しやすくなります。池袋線 特急ラビュー(西武鉄道) ↗ / 特急料金および座席指定料金の改定(西武鉄道) ↗

熊谷からは秩父鉄道で秩父駅へ出る経路もあります。秩父駅からなら秩父神社とまつり会館は徒歩3分です。交通案内(秩父神社) ↗

費目大人1人の想定
池袋〜西武秩父の乗車券の往復として確保2,000円
特急ラビューの特急券(片道900円・確認済みの料金。使わない場合は0円)0〜1,800円
秩父まつり会館の入館料(確認済みの料金)500円
昼食1,200〜2,500円
祭の湯の入館料(確認済みの料金。入らない場合は0円)0〜1,380円
甘味・おみやげ500〜1,500円
計画上の合計4,200〜9,700円

乗車券の2,000円は出発駅を決めない予算枠で、確認済みの運賃ではありません。区間の金額は西武鉄道の運賃案内でご確認ください。西武鉄道には、西武線の往復と秩父エリアの乗り降りを組み合わせた「秩父フリーきっぷ」もあります。発売額と乗り降りできる範囲は秩父フリーきっぷ(西武鉄道) ↗で確認できます。

帰りに寄る西武秩父駅前温泉「祭の湯」は、温泉エリアの営業が10:00〜22:00(最終受付21:30)。入館料は平日が大人1,100円、土・日曜日・祝日・特定日が大人1,380円です。フードコートと物販エリアへの入場は無料なので、温泉に入らない日もおみやげ選びに使えます。営業時間・料金(西武秩父駅前温泉 祭の湯) ↗

動画で、秩父夜祭の夜を見てみる

秩父市の観光サイト「秩父観光なび」の動画集で使われているチャンネル「chichibumovie」が公開している「秩父夜祭」を紹介します。秩父まつり会館の公式サイトにも置かれている動画で、1分あまりの短い映像に、夜の笠鉾・屋台の曳き回しと花火が収められています。

これは12月の祭りの映像で、この日の順路を案内するものではありません。記事のコースで見られるのは、まつり会館に展示された笠鉾・屋台と、館内の映像です。また、公開は2013年です。開館時間や料金は、この記事の本文と公式サイトでご確認ください。

出典:chichibumovie(秩父観光なび 動画集掲載チャンネル)
YouTubeで動画を見る ↗ / 秩父の動画集(秩父観光なび) ↗ / 秩父まつり会館 ↗

※動画プレーヤーの読み込み時にGoogle/YouTubeへ接続します。プライバシー強化モードでもIPアドレス等の送信を完全には防げません。自動再生はしません。詳細はGoogleのプライバシーポリシー ↗をご確認ください。再生できない場合は上のYouTubeリンクをご利用ください。

出かける前に確認したいこと

祭りの日は、別の一日として考える。 12月2日・3日の秩父夜祭には、例年20万人以上の人出が見込まれています。ご祭神・由緒(秩父神社) ↗ 市内では交通規制が行われ、まつり会館も開館時間の変更や3Dシアターの中止、入場制限をすることがあります。7月の秩父川瀬祭の日も同じように時間が変わります。このコースは祭りのない日を前提に組んでいるので、祭りを見に行く日は、まつり会館のお知らせと秩父観光なびの交通案内を先に確認して、別に計画してください。秩父まつり会館 ↗

まつり会館の休館日と、冬の開館時間。 火曜日に出かける場合は注意が必要です。3月から11月は第4・第5火曜日、12月から2月は毎週火曜日が休館です。12月から3月は開館が10:00からになるので、冬は神社の参拝を先にしてから会館へ入る順番にすると時間が合います。ご利用案内(秩父まつり会館) ↗

盆地の暑さと寒さ。 秩父は山に囲まれた盆地で、近くの秩父観測所の平年値(1991〜2020年)では、8月の日最高気温が31.0度、1月の平均気温が1.8度です。夏は駅から神社まで15分歩くだけでも汗をかくので、帽子と飲み物を用意し、まつり会館や店内で休みながら回ってください。冬は朝晩の冷え込みが強く、上着を一枚多めに。帰りの温泉で温まるなら、湯冷めしないよう帰りの列車の時間にも余裕を持たせてください。秩父の平年値(気象庁) ↗

秩父からもう一歩、川と岩の景色へ足を延ばすなら、秩父鉄道で向かう長瀞の日帰りガイド ↗をどうぞ。同じ西武池袋線の途中にある飯能 ↗の行先ページや、同じ埼玉で蔵造りの町並みを歩く川越の日帰りガイド ↗もあわせてご覧ください。

社殿の彫刻を一つずつ探し、冬の祭りを展示館でのぞき、古い建物の並ぶ参道を歩いて、最後に温泉へ。次の休日は、秩父へ。

近くの、次の一日。

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